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生理がなければすべて閉経ですか?

生理が止まったからといって、すべてが閉経とは限りません。妊娠、甲状腺、FHA、PCOSなど無月経の原因を、閉経とどう鑑別するかを整理しました。

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生理がなければすべて閉経ですか?
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40代に入って生理が突然止まると、多くの方がまず閉経を思い浮かべます。診察室で見ていると、「最近、早発閉経が多いと聞きましたが、私もそうではないでしょうか」と心配されて来られる方が少なくありません。しかし月経が止まる理由は思ったより多様で、その相当数は閉経とはまったく関係がありません。生理がないという事実一つだけで閉経と断定するのは危険なことがあります。本稿では無月経のさまざまな原因を整理し、それぞれの原因を閉経とどう区別するのかを見ていきます。

閉経は診断であって症状ではありません

閉経は「生理が出ない状態」ではなく、一定の基準を満たしたときに下す診断です。一般的に、他の原因なく最後の月経以降1年以上月経がないときに閉経と診断します。つまり1〜2か月、あるいは3〜4か月生理がないからといって、すぐに閉経とは呼びません。

閉経に至る前には月経周期が次第に不規則になる時期を経ますが、これを閉経移行期と呼びます。この時期には卵巣機能が徐々に低下し、排卵周期が長くなり、それに伴って月経の間隔もまちまちになります。閉経移行期は人によって数年間続くことがあり、この間にほてりや発汗などの血管運動症状をはじめとするさまざまな変化を伴うこともあります。閉経とその周辺症状に関する詳しい説明は更年期症状のご案内で続けてご覧いただけます。

重要な点は、これらすべての様相が閉経以外の他の疾患でも同様に現れうるという事実です。ですから生理が止まったとき、まず行うべきことは「閉経かどうか」ではなく、「無月経の原因は何か」を落ち着いて検討することです。

まず除外するのは妊娠です

月経が止まったとき、医学的にまず確認する原因は妊娠です。米国産婦人科学会(ACOG)と米国生殖医学会(ASRM)はいずれも、規則的だった月経が止まった女性において、妊娠の可能性を鑑別診断の最前に置くべきだと勧告しています。

診察室で見ていると「この年齢でまさか」とおっしゃる方が多いですが、閉経移行期には排卵が不規則でも完全に止まったわけではないため、妊娠が可能です。そのため年齢に関係なく、尿または血液の妊娠検査をまず行うのが標準的なアプローチです。

妊娠は最も多く、かつ最も単純に確認される原因であるという点で意味が大きいです。妊娠の有無を明確にするだけでも、不要なホルモン検査や不安を減らすことができます。妊娠の可能性の確認や避妊相談が必要であれば、妊娠・避妊クリニックを通して点検されることをお勧めします。

生理が止まったなら、年齢に関係なく妊娠検査からです。閉経を疑う前に必ず経るべき最初のステップです。

ホルモン分泌腺の問題:甲状腺とプロラクチン

月経は脳(視床下部・下垂体)と卵巣が精巧にやり取りする信号で維持されており、この流れに他のホルモンが割り込むと月経が乱れます。代表的なものが甲状腺疾患とプロラクチン過多です。

甲状腺機能異常は症状がはっきりしない場合でも月経不順や無月経を引き起こすことがあります。ASRM(2024)は、月経異常や不妊があるとき、症状がなくても甲状腺刺激ホルモン(TSH)を確認することが有用だと説明しています。プロラクチンは本来授乳に関連するホルモンですが、この数値が高くなると排卵が抑制され、月経が止まることがあります。そのため無月経や希発月経があるとき、プロラクチン検査を併せて行うのが合理的です。

この二つは血液検査で比較的簡単に確認でき、原因が是正されると月経が回復する場合が多いという点で閉経と決定的に異なります。閉経は卵巣機能そのものが尽きた状態である一方、甲状腺やプロラクチンの問題は可逆的な場合が多いです。

視床下部性無月経(FHA):ストレスとエネルギー不均衡

若い妊娠可能年齢の女性において、妊娠を除外したとき最も多い無月経の原因は機能性視床下部性無月経(FHA)です。これは過度の体重減少、過剰な運動、大きな精神的ストレスなどで視床下部のホルモン信号が抑制され、排卵が止まる状態です。

米国内分泌学会(Endocrine Society, 2017)は、FHAをエネルギー不均衡とストレスによって視床下部-下垂体-卵巣軸が十分に刺激されず生じる無月経と説明しています。ダイエットで体重が急激に減ったり、運動強度を大きく上げたり、睡眠と心理的負担が積み重なった時期に月経が消える場合がこれに当たります。

FHAは他の原因をすべて除外した後に下す診断です。何よりも閉経とは正反対の性質を持ち、閉経が不可逆的な卵巣機能の喪失であるなら、FHAは誘発要因を是正すれば月経が戻りうる可逆的な状態です。若い年齢で生理が止まったからとすぐに早発閉経を思い浮かべるより、最近の生活の変化を併せて見るべき理由です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とその他の原因

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は妊娠可能年齢の女性によく見られる排卵障害で、不規則な月経や無月経の多い原因の一つです。PCOSは排卵がまれにしか起こらず月経の間隔が長くなる様相を示しますが、この点で閉経移行期の不規則な月経と混同されやすいです。

ASRMとACOGの評価の枠組みでPCOSを診断するときは、甲状腺疾患やプロラクチン異常など、似た様相を作る他の原因も併せて除外します。つまり「生理が不規則だ」という一つの手がかりだけでは、PCOSなのか、閉経移行期なのか、他のホルモンの問題なのかを区別しにくく、検査による総合的な判断が必要です。生理不順が繰り返されるなら生理痛・生理不順のご案内をご参照いただき、診療を通して原因を確認されることをお勧めします。

このほかにも子宮や卵巣の構造的疾患、一部の薬物、そして40歳より前に卵巣機能が低下する早発卵巣不全(POI)などが無月経の原因になることがあります。ACOGは、40歳より前に月経が止まる早発卵巣不全をかつて「早発閉経」と呼んだものの、卵巣機能が間欠的に回復してまれに妊娠が起こることもあるため、自然閉経と区別される別個の状態と見なすと説明しています。漠然とした心配があるなら、診察室で一緒に確認するのが最も安全です。

生理の変化が心配なら相談する

無月経の原因を分ける検査

原因が多様なだけに、生理が止まったときの評価も一つの検査で終わりません。標準的な初期評価は、詳しい病歴聴取と診察、妊娠検査から始まり、ホルモン血液検査と骨盤超音波へと続きます。

血液検査では、卵胞刺激ホルモン(FSH)やエストロゲンのような性ホルモン、そして先に述べた甲状腺刺激ホルモン(TSH)とプロラクチンを併せて確認します。閉経や閉経移行期では、卵巣機能の低下を反映してFSHが上昇する様相が観察されます。経腟超音波は子宮内膜と卵巣の状態を調べ、構造的原因を鑑別するのに役立ちます。

原因代表的な手がかり閉経との違い
妊娠妊娠検査陽性まず除外、閉経ではない
甲状腺・プロラクチンTSH・プロラクチン異常是正時に回復する場合が多い
FHA体重減少・過運動・ストレス誘発要因の是正時に可逆的
PCOSまれな排卵、不規則な月経妊娠可能年齢、閉経と異なる機序
閉経・閉経移行期FSH上昇、1年以上の無月経卵巣機能の枯渇、不可逆的

このように検査を総合してこそ、初めて「閉経かどうか」ではなく「何のために月経が止まったのか」を見分けることができます。ホルモンの変化が疑われるなら更年期検診ライフサイクル検診を通して段階的に確認してみることができます。

診察室でお伝えする整理

臨床経験上、生理が止まって来られる方々の不安は、たいてい「閉経ではないか」という一方向に偏っています。しかしこれまで見てきたように、無月経の原因は妊娠、甲状腺やプロラクチンのようなホルモンの問題、視床下部性無月経、多嚢胞性卵巣症候群、早発卵巣不全など幅広いです。このうちには原因を是正すれば月経が回復する可逆的な状態も多くあります。

整理すると次のとおりです。

  • 生理が止まったからとすぐに閉経と断定しません。
  • 年齢に関係なく妊娠検査から行います。
  • 甲状腺・プロラクチン・FSHなどのホルモン検査と超音波で原因を鑑別します。
  • 若い年齢の無月経は生活の変化とストレスも併せて見ます。

生理周期の変化が心配でしたら、一人で推測するより診療を通して原因を確認されることをお勧めします。更年期のホルモン変化についての相談は更年期ホルモン診療でも助けを受けることができます。

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筆者:イ・ドンヒ 代表院長 · 産婦人科専門医 · 医療陣紹介を見る

初回発行 2023年12月27日 · 最終レビュー 2026年5月30日

参考資料:American College of Obstetricians and Gynecologists (2014), American Society for Reproductive Medicine (2024), Endocrine Society (2017)

本稿は一般的な健康情報を提供するためのもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状があれば診療を通してご相談ください。

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