世界が一つにつながった時代に、孤独を感じる人はますます増えている。携帯電話とソーシャルメディアの使用により、私たちは「常時接続」の状態にある。携帯電話のスクロールを下げ、映像を視聴し、いいねを押し、コメントをつける一瞬一瞬、私たちは周囲の人と共にいるのではなく、自分がより大きな社会の一員だと感じさせてくれる多様で日常的な社会的相互作用の機会を、自ら奪っている。
スマートフォンを使う時間は、私たちが友人、同僚、恋人、子と共にいない時間だ。私たちは他人と共にいながら、実は独りだ。米国のあるアイビーリーグの大学には「表情の読み方」という授業まであるほど、私たちの社会は直接の意思疎通の困難を抱えている。(デートの誘い方さえ分からない) 携帯で世界を見、自分のデジタルイメージを重視するなかで、FOMO、BOMP現象は蔓延し、孤独を超えて苦しみを経験する人もまた増える。
FOMO(fear of missing out;自分以外の皆が友だちの世界で、自分だけ友だちがいないように思える恐れ) BOMP(A belief that others are more popular;他人のほうが人気があるという思い込み) 第8章「監視資本主義と操作された経済」では、AIを通じて就職面接を行う(hirevue)企業が増えていると述べる。すでに鍾路、鷺梁津でも、このAIの「好み」にかなう応募者になるために塾に通うという記事に接したことがある。AIが一次合格を決めるため、AIを通過できなければ対面面接や討論をしてみる機会すらないのだ。
ハイアービューは、企業の大規模な人材採用で費用対効果が抜群で、雇用維持率と業務成果が平均よりはるかに高いと主張する。しかしこれにも偏見が排除されているとは言いにくい。アルゴリズムを用いた従業員の評価制度もまた、非人間的な要素を含む。ギグエコノミーの労働者は常に評点をつけられ、監視され、ログ情報を収集され、デジタルのむち打ちに耐えなければならない。モニターされる水準が深刻で、プライバシー侵害が懸念される水準に達しているということだ。さらに意思決定もまた、過度に機械にゆだねられている。(アマゾンのリストバンド—作業者が特定の境界線の外に出たり止まったりした時間を測定する。) さらに極端な形態の監視までもがすでに現実に姿を現している。2017年、米国ウィスコンシン州の技術企業スリー・スクエア・マーケット three square market は、50人を超える従業員の手にマイクロチップを挿入した。lol 誰も無事ではいられない。
医療、法律、金融などの専門分野、さらには宗教界も安全ではない。現在、日本の人口の4分の1は65歳以上で、世話をしてくれる人や情緒的共感を分かち合う人が不足し、AIが代わりを務めている。ペッパーと呼ばれるロボットや、アザラシ型ロボットのパロParoが癒やし動物として使われている。(なんと2005年から!) 米国でも、2016年に初めて登場したロボットの猫、犬、ソーシャルロボットが成長の潜在力を証明しており、著者は将来、ロボット伴侶への需要が高齢層だけで高いとは見ていない。
パンデミック危機が過ぎれば、対面のつながりへの抑えつけられた欲求が「孤独経済」を爆発させるだろう。共同体との真のつながりを単なる消費で終わらせないために、私たちは何を始めるべきか。今やまさに「親切と配慮」については無能と見なされる世の中だと言うが、私たちは余裕を持ち、足を止めてもっと対話する必要がある。自分を窒息させるデジタルのプライバシーの繭を蹴破って出て、周囲の人と交わらなければならない。孤独な世紀の解毒剤は、究極的には私たちが互いのためにそこにいてあげることでしかありえない。散り散りになっていく世界で私たちが一つになろうとするなら、これは最低限の要求だ。
分厚い本のうち参考文献が5分の1に達するほど膨大な知識を執筆した本。読んで感じることの多い本。賛否両論はありえるだろうが、それだけ著者が正確な知識を伝えようとした意図が明確だ。
孤立の時代についての鋭い洞察。とんでもないと受け流そうとした本だが、最後まで手放せなかった緻密に構成された本。星評価 ★5/5