生理が止まると、まず思い浮かぶ心配はたいてい二つです。妊娠だろうか、それとも大きな病気だろうか。診察室で見ると、その両方ともでない場合がほとんどですが、無月経はただ放っておいてよい症状ではなく、原因を一つずつ見分けていくべき信号です。無月経は妊娠可能年齢の女性に比較的よく現れる症状であり、正常な月経が成り立つためには、視床下部から下垂体、卵巣、子宮へとつながる軸がすべて正しく作動しなければなりません。この記事では、無月経の原因を何として説明するかよりも、産婦人科で実際にどんな検査をどんな順序で進めて原因を絞っていくのか、その診断過程を整理しました。
検査の前に、まず定義をそろえます
無月経を検査する前に、今の状態が本当に検査が必要な無月経なのかをまず確認します。医学的に無月経はいくつかの基準で定義されます。二次性徴がなく満13歳まで初経がない場合、二次性徴は見られるが満15歳まで初経がない場合は原発性無月経とみなします。普段生理をしていた方が、以前の周期の3倍以上、または6か月以上月経がなければ続発性無月経に分類します。
この区分が重要なのは、検査の方向が変わるためです。原発性無月経は子宮や腟といった解剖学的構造の形成の問題をまず診なければならず、続発性無月経はホルモン軸のどこが止まったのかを追跡します。1〜2か月生理が遅れるのとは違う問題なので、上記の基準に該当するなら検査を先延ばしにせず来院されるほうがよいです。生理がまばらになる変化が閉経の始まりなのか気になる場合は、生理がなければすべて閉経なのかを見る記事も併せて参考にできます。
まず妊娠を除外します
無月経検査の第一段階は、ほぼ例外なく妊娠の有無の確認です。米国生殖医学会(ASRM)の2024年無月経評価ガイドラインでも、他の検査に先立って最も先に妊娠を除外するよう勧告します。妊娠可能年齢の女性で突然月経が止まる最も一般的な原因が妊娠であるためであり、本人が妊娠の可能性がないと思っていても、検査で確認するのが原則です。
妊娠検査は尿または血液でhCGホルモンを確認する簡単な検査です。診察室で見ると、この段階で原因が整理され、それ以上の検査が必要なくなる方が少なくありません。妊娠が除外されれば、そこから本格的なホルモンと画像検査へと移ります。妊娠と避妊そのものが悩みなら、妊娠の有無の確認が必要な状況を別途相談できます。
妊娠検査が陰性だからといって検査が終わるのではなく、むしろそこから原因を探す本当の過程が始まります。
ホルモン検査で止まった地点を追跡します
妊娠が除外されれば、血液ホルモン検査で視床下部-下垂体-卵巣軸のうちどこで信号が途切れたのかを追跡します。ASRM 2024ガイドラインと米国家庭医学会(AAFP)診療ガイドラインは、無月経の初期評価で甲状腺刺激ホルモン(TSH)、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール(E2)を基本項目として測定するよう案内します。各数値は互いに異なる原因を指します。
| 検査項目 | 主に見る部分 | 異常時の示唆 |
|---|---|---|
| TSH | 甲状腺機能 | 甲状腺機能異常による月経変化 |
| プロラクチン | 下垂体 | 高プロラクチン血症、下垂体病変の可能性 |
| FSH | 卵巣機能 | 卵巣機能低下または早期閉経の様相 |
| エストラジオール | エストロゲン状態 | 低エストロゲン状態かどうか |
この四つの組み合わせだけでも、無月経のよくある原因の相当数が見分けられます。たとえばFSHが高くエストラジオールが低ければ卵巣側の問題を、プロラクチンが高ければ下垂体側の原因を疑うことになります。臨床的に多嚢胞性卵巣症候群が疑われれば男性ホルモン関連の項目を追加することもありますが、この部分が気になる場合は多嚢胞性卵巣症候群を一つのキーワードにまとめて説明した記事でより詳しく扱っています。
骨盤超音波はほとんどの場合に行います
ホルモン検査とともに、骨盤超音波は無月経評価で事実上基本として含まれる検査です。超音波では、卵巣、子宮、子宮頸部がきちんと存在しているかをまず確認します。原発性無月経では子宮や腟の形成自体に問題があることがあり、ASRMガイドラインも構造異常を確認するために骨盤超音波を勧告します。
超音波では単に臓器の有無だけを見るのではありません。子宮内膜の厚さを測定し、血中エストロゲン濃度とプロゲスチン消退出血反応を併せて見ると、排卵が起きているかを見積もるのに役立ちます。無排卵状態では子宮内膜増殖症が伴う場合もあり、これを見逃さないためにも骨盤超音波を必ず行います。次は骨盤超音波で主に確認する項目です。
- 卵巣、子宮、子宮頸部の存在と形態
- 子宮内膜の厚さ
- 卵巣の形態と卵胞の様相
- 子宮内膜増殖症などの伴う所見の有無
生理が不規則に変わる変化が気になるなら、生理周期が不規則な状況を診療で併せて確認されることをお勧めします。検査の日程や準備が気になれば、無月経検査の相談を問い合わせるを通じて前もって尋ねてもよいです。
画像・子宮卵管造影は必要な場合に追加します
すべての無月経患者が画像検査や子宮卵管造影まで受けるわけではありません。これらの検査は、先の段階で特定の原因が疑われるときに選択的に追加されます。原発性無月経でミュラー管奇形が見つかれば、泌尿生殖器の伴う異常を確認するために骨盤CTやMRI、静脈性腎盂造影のような検査が必要なことがあります。
子宮卵管造影は造影剤を入れて卵管と子宮腔内部を観察する方法です。子宮奇形や子宮腔内疾患を確認し、卵管閉塞や卵管水腫の有無を見るのに使われます。特に妊娠を計画する方で卵管の状態を判断しなければならないときに行うことになります。無月経そのものより不妊評価が併せて必要な状況で意味の大きい検査です。次は追加画像検査が考慮される代表的な状況です。
| 状況 | 考慮される検査 |
|---|---|
| ミュラー管奇形、泌尿生殖器異常の疑い | 骨盤CT、MRI、静脈性腎盂造影 |
| 子宮腔内疾患・卵管異常の疑い | 子宮卵管造影 |
| プロラクチン持続上昇 | 下垂体MRI |
脳画像はホルモン結果が指し示すときに進めます
脳CTやMRIは、無月経で最初から撮る検査ではなく、ホルモン結果が中枢神経系の原因を示唆するときに進める検査です。ストレスや栄養状態で説明されない低ホルモン状態が持続したり、プロラクチンが高い状態が続いたりするとき、下垂体の腺腫や腫瘍のような病変を鑑別するために行います。
AAFPガイドラインによれば、プロラクチンが持続的に上昇しているときは下垂体画像検査が勧告され、このときは脳全体より視床下部-下垂体部位を集中的に見るMRIがより高い解像度を提供すると案内します。なお、ミュラー管形成不全で無月経が現れた場合には、腎臓や尿管のような泌尿生殖系の伴う奇形、一部では脊椎などの骨格系奇形が併せて見つかることもあり、画像検査が伴う異常を確認する役割も果たします。
検査の順序を知って行くと、気持ちがずっと楽になります
無月経検査は一度にすべての検査をまとめて行うのではなく、妊娠除外から始め、ホルモン、超音波、そして必要な場合の画像検査へと段階的に絞っていく過程です。整理すると、妊娠検査から始め、ホルモン四つと骨盤超音波でよくある原因を見分け、結果が指し示す方向に従って子宮卵管造影や脳MRIを選択的に加える流れです。
ほとんどの無月経は単純な原因から生じ、放置せず来院されれば原因を見つけて個人の特性に合わせて治療できます。早期閉経が心配なら早期閉経の予防と治療を扱った記事が、定期的な女性の健康点検を考えるなら生涯周期検診が役立つことがあります。生理が6か月以上ない、または検査をためらうなら、無月経検査が必要か相談を受けるをまず利用してみてください。
執筆:イ・ドンヒ 代表院長 · 産婦人科専門医 · 医療陣紹介を見る
初回発行 2024年1月2日 · 最終レビュー 2026年5月30日
参考資料:American Society for Reproductive Medicine, Current Evaluation of Amenorrhea Committee Opinion (2024), American Academy of Family Physicians, Amenorrhea Evaluation and Treatment (2006)
本記事は一般的な健康情報を提供するためのものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は診療を通じてご相談ください。